CSA工場検査について
1998年12月 CSA推進課


CSA Factory Auditと Field Representative
近年CSAは、工場検査の正式な呼称を従来の"Follow-up Inspection"や"Factory Inspection"に代えて、"CSA Factory Audit"と呼ぶようになりました。
これは、検査(Inspection)という用語から受けるイメージがCSAの意図するサービスの目的と必ずしも一致しないために変更したものであって、検査を実施するCSAの検査員の呼称も"Field Representative"と呼ぶこととしています。
日本語で適切な訳語が見当たらないため、JQAでは「工場検査」と「検査員」を用語として引き続き用いているが、CSAが敢えて用語を変更した意図を的確に関係者各位のご理解いたきたくFactory Auditの意味を解説します。


Factory Auditの用語の意味
製品のモデル単位の認証のシステムは、製造者が用意した試験サンプルを、CSAまたはCSAの認めた試験機関もしくは製造者の試験担当者が適用規格に合わせて試験と評価を行い必要な技術的な修正や表示を行った上で、申請者の指定した工場で製造して必要な試験や検査をおこなって合格した製品にCSAマークを表示して出荷するようになっています。
そして年間 10 億個以上の製品にCSAマークがつけられて市場へ出荷されています。

このように多数の製品が認証を受けるときに用意した試験サンプルと本質的に同じ内容の製品であることが求められるわけでありますが、これを確認し保証することは通常の第三者検査の概念ではほとんど不可能となります。
このため、CSAでは、CSAマークを使用するにあたり、申請者と契約(Service Agreement−協約書)を締結して認証の条件を遵守することを申請者の責務としています。 すなわち量産する製品にCSAマークを表示するにあたっては、申請者の責任により自主的に必要な試験や検査を行うことが求められており、この限りにおいてCSAによる検査は必要としません。
しかしながらCSAは、CSAの認証サービスに精通した代表者(Field Representative)を製造現場(Production Field)へ定期的に派遣して専門的な視点にたった視察をおこなうことによって、申請者がその責務を果たすために必要な支援を提供することが不適合製品による事故の発生を未然に防止して申請者の負担を軽減し、CSAマークの信頼性を高めるために重要な事項であると認識しています。
この認識に基づいてCSAは、従来の"Inspection"に代えて"Factory Audit"の呼称を使用することとしたものであります。
そして実際の検査の手順や方式は、すべてこの認識に基づいて企画・運営されています。


実際の工場検査のやり方

担当検査機関
CSAの検査は、CSAまたは、提携した検査機関の検査員(Field Representative)が年間2回以上申請者が指定した工場を訪問します。 工場の所在地(国)ごとに担当する検査機関が決められており、日本の場合は、JQAの職員でCSAの検査を行う資格を有するものが実施しています。

年間訪問回数
年間の訪問回数は、工場の所在地やCSAのサービスの種類(リ・エキザミネーション・サービスやラベル・サービス、CSAマークやCSA NRTLマーク、通常のモデル認証やカテゴリー認証など)によって異なる回数が指定されるが、通常は、年間2-4回程度が標準的な回数となります。

無予告検査
検査は、原則として予告なしに工場を訪問して行います(Non-announcement Visit)。 これは、事前準備をしない通常の管理状況を確認することが目的で定められた方法で、協約書にも明示されています。
なお特段の事情により事前予告を必要とするとき、文書により要請をおこなうことができます。

CSAマークつき製品の有無
CSAの工場検査は、CSAマークのついた製品の製造の有無には係わりなく行われます。
訪問したときに、CSAマークを付けた製品の製造またはサンプルの在庫があれば、試験レポートによる照合を行うことができるため、一段と具体的な確認を行うことができます。
しかしながら、このようなサンプルがなくても、工場の通常の製造状況や管理状態を視察し、CSAマークを付けた製品に適用する追加事項が明確にされていれば、検査の目的の過半は確認が出来るものとしています。
ただし長期間にわたってCSAマークのついた製品の確認ができないときは、製造日にあわせた特別の検査をおこなって確認することがあります。(Form 6336の項 参照)

CSAの検査の確認事項
申請者とCSAとで取り交わした協約事項が実行されていることを確認するため、次のような事項について、CSAマークをつけた製品の有無に関係なく、調査と確認を行います。

  1. 申請者と工場の名前と住所の確認
  2. 生産記録等に基づく製造状況の確認
  3. 適用規格の確認(製造時の最新規格が適用される体制にあるか)
  4. 表示事項や方法の確認
  5. 工場での実施を要求されている検査の実施の確認
    (製品検査工程の視察、不良品の確実な検出と誤出荷防止の体制の確認)
  6. 検査に使う試験機器の確認(日常点検や校正周期、校正記録の確認)
  7. 製造工程の視察 (Workmanshipの確認)
  8. 部品管理(安全重要部品の管理、 CSA認証部品の管理、混入の防止対策等の確認)
  9. 該当するとき、CSAラベルの管理状況と在庫の確認
  10. 該当するとき、前回の検査レポートの指摘事項の修正実施状況の確認
  11. その他
CSAマークのついた製品の製造または保管されたサンプルがあるときは、該当モデルのCSA認証レポート の記載内容と実際の製品との照合を次の要領で行います。
  1. 製品サンプルの目視による検査や、電線等の場合の社内試験の立会い確認
  2. 該当するとき、使用部品の照合
  3. 認証レポートに記載された改良要求項目が実行されていることの確認
  4. 適用規格の確認
  5. 表示事項や方法の確認
  6. 工場で実施する試験の試験条件他の確認
  7. 製造記録との照合
  8. 該当するとき、再試験用サンプルの抜取り
  9. その他


CSA工場検査レポート
CSA工場検査レポートは、検査の訪問時に検査員が作成し工場の立会者の署名を求めた上で控えを手渡します。
様式は、世界共通のもので英文で印刷されているが、日本の工場については、検査の所見に関する事項を日本文で記載し要約を英文で併記します。
申請者は、検査レポートの控え(写し)を工場の立会者から受けとるものとしています。

Form 6336 (Special Advice on CSA Marking)
Form6336は、過去の一定期間内の工場検査で、当該製品の製造または、サンプルの保管がないため、製品とCSA認証レポートとの照合ができない状況が続いたときに検査員が発行する様式であって、申請者にたいし次回のCSAマークを表示する製品の製造にあたり、事前にCSAの検査事務所へ製造予定日を通報することを義務づけています。
通報を受けた検査事務所は、製造予定日に合わせた訪問スケジュールを特別に計画します。
この臨時の訪問計画が実行できないときは、次回の定期検査まで製造分より抽出したサンプルを保管するか、サンプルを検査事務所へ送付して確認する方式をとることもできます。
この通報を検査事務所が受け取った時点でForm 6336の制約は失効し、以後は通常の状態に戻ります。
この通報を怠ったときは、認証の一時的な停止(Suspension)の理由になります。
また、出荷された製品についての追跡調査がおこなわれることがあります。

IFE (Initial Facility Evaluation)
IFEは、初期工場評価と訳し、初めてCSAの認証マークを使用する工場として登録する工場に対して行います。
IFEの目的は、その工場が指定された住所に存在し、認証された製品を認証レポートの記載内容に従って一貫性を持って生産する能力を有しており、CSAマークを表示するに適切な工場であることを評価するために行うものであります。
2000年現在の運用では、このIFEは、中国、マカオ、ベトナム、インドネシア、インド、スリランカの各国または地域に所在する工場に対して、製品の品目にかかわらず原則として最初の申請の認証書が発行される前に行われます。以前IFE対象地域であった香港、台湾は対象外になっております。日本を含む上記以外の国や地域に所在する工場に対しては、申請者の希望により実施することができますが、認証の条件ではありません。

Re-Test Sampleの抜き取り
CSAでは、工場で製品のサンプルを目視検査によって規格や認証レポートと照合するが、製品の種類や規格の内容によっては、目視による判断ができないときや長時間の試験を必要とするときがあります。
このようなときは、量産中の製品から検査員が抜き取りを行い、試験所へ送付して認証時と同等の試験を実行してその適合性を判定します。
この試験をRe-Test(再試験)と呼んでいます。
検査員は、工場検査時にサンプルを抜き取り、識別用のシールを貼付けで指定する試験所へ工場から発送するよう工場の担当者に指示します。
Re-Testを必要とする製品は、CSAが指定し、Re-Testを実施する試験所は、製品により複数の試験所でRe-Testが可能なときは申請者が選択することができるようになっています。


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